恋のSEASON

な・ん・と!



「マヒル?」



「マヒルちゃーん!」



比奈子ちゃんと宇巳が睨み合っているこのいろいろ忙しい時に、夏樹くんと冬矢先輩がやってきた。

マジかよ・・・。



「ん?誰?」



夏樹くんは、宇巳を見るなりあからさまに嫌な顔をした。そして私の右手をとる。


その手を冬矢先輩がはらう。


その手を比奈子ちゃんがはらった。ぇー・・・なんで?



「冬矢さんも夏樹さんも、私の眞妃琉に勝手に触らないでください。」



はい?比奈子ちゃん?



「私は井上三人様の大ファンでした。でも、今日からはライバルです。」



何をおっしゃってるの?



「うわ、まさかの展開。」



冬矢先輩、私も同感です。



「だから、誰?」



夏樹くんは相変わらず、宇巳に嫌そうな顔を向けている。



「あ、俺っすか?眞妃琉の元カレでーす。」



宇巳の言葉に夏樹くんはわかりやすく顔を歪めた。そして、私のほうに顔を向ける。



その目は本当に?と私に訴えている・・・ように見える。

私はコクりとうなずいた。



それに冬矢先輩が



「え!マヒルちゃん、元カレいるの?計算外!」



って反応した。





なんか、ややこしくなってきた。



「眞妃琉、お昼ご飯食べに行こう。」



比奈子ちゃんが私の腕を引く。



「待って!俺も!」



宇巳がついてくる。



「・・・俺も。」



夏樹くんが私の横に並ぶ。


「え、みんな行くの?」



出遅れた冬矢先輩。