恋のSEASON

「大嫌いになった。中途半端にアメリカに渡って、待っててとかほざいて、別れたらよろしくやってるとか・・・ないわ。ってね。アメリカに行ったのはご両親の都合だったらしいけど。」



「そっか。だから眞妃琉は嫌そうな顔してたのか。てっきり井上三人様がいるのに!って顔かと思ったなに。」



「んなわけないでしょ。」



「そっか。眞妃琉がそんな考えするわけないね。」



また、遠くからかすかにチャイムの音が聞こえる。

授業、さぼっちゃった。



「戻ろう。次の授業にはさすがにでないと。」



比奈子ちゃんは立ち上がり、スカートを三回パンパンとはたいた。



「そうだね。」



二人で並んで廊下を歩く。
比奈子ちゃんはずっとニコニコ顔。よかった、いつもの比奈子ちゃんに戻って。


・・・それにしてもご機嫌すぎないか?鼻歌歌ってるし。



「比奈子ちゃん?」



「ん?」



満面の笑みの比奈子ちゃん。



「なんでもない・・・。」



まあ・・・いいか。比奈子ちゃんがニコニコしてるなら。



教室に戻ったら、クラスが騒めいた。な、何よ!?



「眞妃琉!!」



寄って来たのは宇巳。



私はこっちに来る宇巳を避けるように自分の席に座った。

ま、隣だから意味はないけど。



「眞妃琉。会いたかった・・・。」



私の隣に座った宇巳がハグしてきた。それを無視してカバンから教科書とかを取り出した。



「眞妃琉?」



宇巳が顔を覗き込んでくる。
ウザイ。井上春並み。



「あたしの眞妃琉に何?」



比奈子ちゃんが私と宇巳を引き剥がした。恩にきる!