恋のSEASON

「こんなあたしと、これからも友達でいてくれる?」



恥ずかしいのか俯いたまま言う比奈子ちゃん。髪の隙間から、赤みがかった顔がうかがえる。



「そんなあなただから、友達でいたいな。」



比奈子ちゃんは勢いよく、顔をあげて私を見た。私は比奈子ちゃんにニッコリ笑う。比奈子ちゃんも笑ってくれた。

わたしが好きな、比奈子ちゃんのまぶしい笑顔で。



「ありがとう、眞妃琉。」



「こちらこそ。女子に妬まれる私のそばにいてくれてありがとう。」



どちらともなく微笑んだ。



「ところで、さっきの・・・西都くんだったっけ?知り合い?」



いきなり、元のフルパワー比奈子ちゃんに戻った比奈子ちゃんは自慢のミーハー力を発揮。瞳は獲物を狙う野生動物。


復活はやくないですか!?



「あー・・・一応知り合い。」



「だから、その一応って何よ。」



「いや、二年ぶりとかだし。」



「二年ぶり?眞妃琉って佐賀県に住んでたの?」



えー・・・普通は逆だよね?



「あっちが私の地元に住んでたの。ここから少し離れた場所。」



懐かしい地元。
ゴールデンウィークにも忙しくて帰れなかった大好きな地元。



「へぇ・・・だけど、それだけ?」



す、鋭い・・・。
そっか、あっちが私を下の名前で呼んだりするから・・・迷惑極まりないヤツ!



「元カレ。」



「は?」



「宇巳は元カレなんだ。」



「え!!!!!!」