恋のSEASON

「「「キャーーーー!!!」」」


う、うるさい・・・。
女子からの悲鳴、悲鳴、悲鳴。



「えっと・・・席は・・・」



担任が教室を見渡す。
すると、あやつが言った。



「俺、ここにします。」



“ここ”とは私の隣。
確かに、私の隣の席だった田中くんは入学してすぐ転校生してしまい、空席だけど・・・。



イヤ!!



あんた、ふざけんな!まわりの女子からの視線が怖い!それでなくとも、井上ブラザーズのお気に入りってだけでも目をつけられるのに・・・(泣


そんな思いを込めまくって睨んだけど、まったく効果出ず・・・。



「眞妃琉もいいみたいなんで。」



とか言いやがった。
ふざけんな!比奈子ちゃんと目、あっちゃったし!っていうか、下の名前で呼ぶなバカ!



「ならそこ座れ。」



担任ふざけんな!
あたしが嫌だってわかって!



なんて思いも虚しく、あやつは私の隣の席に座った。

睨んだけど、今度はニヤッて笑われた。あんた・・・根性腐ってんじゃない。



っていうか、女子から突き刺さる視線が痛いです。

井上ブラザーズのこともあるし、呼び出し決定か?



今日の連絡を済ませた担任が教室を出ていった。

と、同時に私は教室を飛び出した。横目に、女子に囲まれる彼が映った。



私は寝不足でふらふらの足を、とにかく前へ足を運んだ。


息も切れて、立ち止まった場所は裏昇降口。別名告白スポット。



「ハー・・・ハー・・・」



「眞妃琉!!!」



名前を呼ばれて振り返った。
そこには私と同じように息を切らした比奈子ちゃんがいた。