恋のSEASON

「マヒルおっはよん♪昨日はちゃんと眠れたかい?」


「あーうん。」



なんて嘘。

確かにすぐに寝付いたんだけど、一時間もしないうちに目が覚めてしまっていた。寝て覚めて・・・昨晩に何度繰り返したかわからない。



「マヒル、おはようございます。」



「ん、はよ。あっきー。」



「おはよ、マヒル。」



「おはよう、夏樹くん。」



「おはよう、マヒルちゃん。今日は僕と学校行こう。」



「はようです、冬矢先輩。今日は冬矢先輩ですか、行きましょう!」



寝不足でだるい体とぼーっとする頭を、なんとかハイテンションでカバーして、学校に向かう。

今日の隣は冬矢先輩。



「マヒルちゃん・・・体調悪い?大丈夫?」



さっすが冬矢先輩。いとも簡単に私の空元気を見破ってくれました。


でも、その優しさ。今は気休めにしかなっていない。


「ちょっと気になることがあって、寝不足気味なだけですから。」



「そう?つらいなら正直に言ったほうが楽だよ?なにかあれば頼ってよ。一応、三年だから。」



「ありがとう。なにかあれば。」





昨日はちゃんと眠れなかった。

気が休まらなくて・・・。
体は春のおかげと言うか、せいと言うか、とっても疲れていた。でも、気になった。いや、無意識に気にしていた。



・・・感じる視線を。



だって、怖い。
あの日以外に学校で感じることはないけど、でかけたりすると感じるし、学校帰りにもたまに感じる。



あんまり冬矢先輩と話さないまま学校に着いて、みんなと別れて自分の教室へ向かった。


今日、比奈子ちゃんに相談してみようかな・・・。