恋のSEASON

「R-ロック・・・。」



まだなんかあるわけ?
ウザイ・・・アパートが遠く感じるよー。はやく着かないかな。



「マヒル。R-ロックならさ、夏樹が好きだった気がする。今度聞いてみな。」



春が思い出した!みたいな顔をして、得意満面にそう言った。


・・・でもね?それって敵に塩じゃありませんか?私としてはかなり嬉しい情報だけど。



「そうなんだ。今度聞いてみるよ。夏樹くんがR-ロックは意外だな~。」



・・・まただ。
さっきから感じる視線。

自意識過剰だ、と言われればそれまでだけど・・・。ここ一週間も続くとね。



「あ、アパート着いた。もう少しマヒルといたかったな。じゃあね、また明日。」



春はそう言って階段をかけあがった。もう少しマヒルといたかったな、とか言うのにすぐ行っちゃうのかよ。行動と言ったことめちゃくちゃ・・・。



っていうか、私としてはやっと着いただし。



ポストをチェックして、自分の部屋に戻り、小さいソファーに座り込んだ。

おこづかいをはたいて買ったこの白い一人掛けソファー。ママたちは学費とかでお金が苦しいみたいだったから、自分で買った。

超お気に入り。










―・・・。

しばらく寝てたみたい。

大急ぎでシャワーを浴びて、ご飯を作って食べた。

そういえば、最近はあんまり洗濯をしていない。ベランダに出ただけでも、視線を感じるから。



洗濯・・・しようかな。



とか思いつつ、ベッドにもぐりこんだ。案外すぐに寝付いた。きっと、春と喋って疲れたんだ・・・。眠りに入る頭でぼんやり思った。