「あ、あれ、くにとじゃね!? お〜い、くにと〜。」
「あ、ほんとだ。いつの間にいたんだろ?しかも、あれって帰ろうとしてない??」
「確かに、歩く方向がおかしいな。
おーい、くにとってば。」


俺は足を止め、無言でひろと達の方へ歩きだした。


「やっぱくにとじゃん。どうした?めっちゃ遅かったじゃん。こりゃ学校いつも遅刻ギリギリに来るだけはあるね(笑)」

今俺の怒りパラメータは100を越えた。

「はぁ?俺の彼女平気でさらったくせに何デカそうな口叩いてんだよ!あぁ!? もうお前なんか友達じゃねえよ。絶交だよ。」

「ちょ、ちょっと待て、落ち着け くにと。
誰がいつお前の彼女をさらったんだよ。
麻由ちゃんとはさっきたまたま会って、くにとに用があるって言うから 俺もちょうどここでくにとと待ち合わせしてるから一緒に待っていようって事になったんだよ。何をそんなにキレてんだよ」

「嘘つけ。……すっげえ楽しそうに話してたじゃねえか。」

「あぁ、なんせ、くにとの話ししてたからな。麻由ちゃんったら、くにとの話になるとすっごい輝かしい目で聞いてくれるんだよ。」


「ばかばかしい。ほんとはイチャイチャしてたんだろ。……もう、帰る。。。」


そう言って、体の向きを帰る方に向けようとしたとたん…………………………


!!!!!!!!!!??????????



何かが俺の唇にあたった。それもすっごく柔らかくてなんだか生暖かい感じの……………

ハッ と我にかえると、目の前には麻由ちゃんの顔があった。


これは…………… キ・ス??

辺りを見ると皆がこちらを凝視している。

ひろもすごくビックリした顔で口をポカーンとあけてこちらを見ていた。



数十秒後、俺の唇から生暖かい何かが離れていった。麻由ちゃんは顔をすごく赤くして、こう言った。
「私がくにと以外の人を好きになるはずがないじゃない。今のでわかったでしょ。くにととだったら場所なんて関係ない。それくらい好きなんだよ。だから信じて、お願い!」