「どうかなさいましたか?」
『いえ…』
メイドの声にはっとなりゆっくり中へ入るとメイドはすぐに出ていった
『こんな綺麗な部屋…私にはもったいないですね』
フィンが驚いたのは部屋の広さと綺麗さだったのだ
昔から質素な小さい部屋に住んでいたためこんな大きな部屋では落ち着かないのだ
『…ロイド様とは結局会えませんでしたね』
窓ガラスごしに月を見つめてため息を溢す姿は何とも神秘的で美しかった
ガラ…
『これから行うことを…お許しください』
ポロポロ…
その夜フィンは一粒…二粒と涙を溢した
これから行うことを許してもらうように
そしてロイドの心を解かせるようにと

