アザレア

「本当はロイドもこの席へ来るはずだったんだけど…軍隊長だから忙しいみたいで」







本当に申し訳ない顔をして謝る王妃様を見てフィンは胸が痛んだ







『いえ…元はこちらが無理なことを申し出たのが始まりでしたので』







謝らないでください…
そう言うとありがとうと綺麗に笑ってお礼を言われた







「ロイドは…昔ある女性に惚れ、心底愛していたんだが…その女性にだまされ心を開かなくなった」







急に真剣な顔で王が語り始めた
フィンの顔もいつのまにか真剣な表情に








「ロイドはまだそれをひきずっている…フィン!君にロイドを私は託す…あいつを支えてやってくれ」







「私からもよろしく頼みます」







王妃と王が二人同時に頭を下げることに困惑したが、フィンは二人のロイドに対する愛情を見た気がした







『私にどれだけのことが出来るか分かりませんが…精一杯愛したいと思っています!…こちらこそよろしくお願いします』







王妃と王よりも深々と頭をさげるフィンを見て二人はこの子なら大丈夫…そう確信をもっていた








暫らく雑談をして部屋へと案内され、中を見て一瞬固まってしまった