腰を落ちつけて語り明かしたいという関羽を、張飛が完全拒否して不眠不休で荷車の跡を追った。

 関羽と簡擁も仕方なしとばかりに後を追った。

 しかし明け方になっても荷車に追いつかなかった。
 つまりは劉備も休まず進んでいるという事だ。

 「あれだけの量を引き続けるとは――周倉の言うように、劉備殿はかなりの漢らしいな」

 「誰だよ劉備て! 誰だよ周倉て! お前は単に独り言を呟いてただけだ! 朝から寝言ばかり言うな!」

 「喧嘩はだめですよ~。プラズマさんも悲しそうに張飛さん手を握ってますよ~」

 「ウオオオォォオオ! 触るなもののけぇぇええぇ!」

 「嘘ですよもーにんぐじょーくです。張飛さんかーわい~。ヒャン! 痛いです痛いです!」

 「簡擁。俺をコケにして生きてた奴はいねーぜ! 今からそれを思い知らせてやらあ!」

 「やめぬか見苦しい。周倉も笑って止めに入っておるではないか」

 「ウオオオォォオオ! 触るなもののけぇぇええぇ!」

 このような調子で進み、日が高く昇った頃にようやく楼桑村に入った。