関羽が何事か怒鳴りながら、青竜刀を振り回した。
 何もない空間に、無茶苦茶に振り回した。
 
 張飛が一喝しても止まらないので背後から組み崩して、押さえつけた。
 
 「落ち着け兄弟。雲長らしくもなく取り乱すなよ。そんなに誓いが重いのかよ」

 「放さぬか翼々。崖を這い上がった漢と、少し手合わせしただけの話よ。見ろ、周倉が笑っておるわ」

 「しっかりしろ兄弟! ここには俺達と簡擁しかいない! 簡擁も何か言って落ち着かせろ」

 簡擁は眠そうな目をこすって了解した。
 念のために索敵し、科学的裏付けをもって関羽を理詰めで論破する作戦に出た。

 「索敵しましたが、関羽さんの前に強いプラズマ体反応がある以外は異常無しですね。プラズマ体の正体は解明不可能とでました」
 
 簡擁はわざわざプラズマ体の輪郭を指でなぞり出した。

 「さっきの人みたいな形ですねー。ん~足が無いですね足からず。面白い面白い! なかなか良かったですよね張飛さん」
 
 「笑えるかボケ!! 嫌だ俺はこうゆうの嫌いだ! 関羽、誰と握手してんだやめろおおおお!!」
 
 非常にレアな事だが、この夜は張飛の悲鳴が何度も鳴り響いた。