張飛は賊を追って茂みに飛び込んだ。時おり悲鳴と張飛の狂声がが聞こえてきたが、どこまで追ったのかやがて聞こえなくなった。

 「あいつめ、しばらくは帰ってくるまい。念のためにうぬ等は下がっておれ。賊が潜んでるとも限らん」

 「センサーに反応ないから大丈夫ですよー」

 関羽は簡擁を無視するかのように背中を向けて賊が逃げ出した方向に注意を向けた。

 「だから反応無しって言ってるのに。もしもーし、関羽さーん! こちらも反応無しですかー。はは~ん、さては耳掃除の催促ですね。んもう、人使いが荒いんだから」

 「黙れポンコツ。俺は機械を信用しないし機械と無駄に話をしないと何度も言わせるな」

 「しゅーん」

 「擬音を口にするのもやめろ。壊したくなる」

 「めちゃくちゃに壊したくなるって、それセクハラです。関羽さんにはがっかりです」

 「うおおぉおおぉぉお!!」

 関羽は青竜刀をめちゃくちゃに振り回して茂みを切り刻んだ。

 「張飛がいないのを忘れるな! つまり俺を止める奴はいない!」

 そう怒鳴ると大木を斬り倒した。

 簡擁も「ふわわ忘れてましたと」二歩三歩後退して周倉のかげに隠れた。