いつもの敬語ではなくなった
セレナの声は低く…地を這うよう…。
これが彼の本当の姿だと…
それが有り得ない事のように
思えてならなかった。
「父親も…お前みたいな娘がいて。
さぞ、辛かっただろうな?
お前の所為で命を落としたようなものだ。
奴は、お前を逃がす為に死んだ。」
「ち…がう!!違う!!違うっ!!」
悲痛に叫んだルシュア…。
そんなルシュアの手首を
頭の上でクロスさせ、片手で持つと…
セレナは空いた手で、首の皮を掴んだ。
「本当に不幸だ。ルシウスも。
ビオの両親は俺が殺したと言うのに…
憎まれているなんてなぁ!!」
ベリベリッ…っと、剥がれていく皮膚。
ルシュアは目を見開いた。


