「おめぇ……犯すぞ。」



―――――…低い声だった。


背中にぞくりと悪寒が走り、
ルシュアの脚はガタガタ震えだす。


一度だけ…、
そういう目にあったことがあった。


気持ち悪い。
怖い。


そういう感情に囚われ…
息が出来なくなったのを
今でも覚えているのだ。


その時は、未遂ですんだものの…
目の前の茶髪の男が嘘を
言っているようには見えない。


その時の恐怖が蘇り…
ガタガタと振るえることしか
出来なくなったルシュアは
ただ…髪を引っ張られている痛さに
絶える事しか出来なくなった。