「殺すなんて事ほど。怖ぇーもんわねぇ。
自分で人を殺しながら、恐怖すら感じる。
目の前で一人の人間が死んで逝くっつー
感覚に溺れそうになる。」
ルシュアの頭を撫でる手は
ありえないほど優しい…。
「俺だって怖ぇ。」
そういうビオが…
ルシュアは信じられなかった。
「嘘よ。さっき…、
私に拳銃を当てつけたわ。」
涙を耐えて言うルシュア…。
「あぁ…頭にキたら。
誰でも構わず殺しそうなのが怖ぇ。
引き鉄を引きそうで怖ぇーんだ。」
俺は、お前を誤解してた。と、
笑い混じりに答えるビオに…
ルシュアは首を傾げた。
「マフィアっつー肩書きだけで。
あぁやってルシウスを
貶すんだと思ってた。」
そう絡み合った視線は…
優しく、ルシュアは
さらに目を見開く…。


