鋼の心







また絡まりあう視線…。


逸らそうにも…
今度は逸らす事さえ許されなかった。


顎に添えられた…彼の手によって…。


「女。今、この瞬間から。
お前はこのルシウス・ガータの女だ。
我から逃れる事も…死を選ぶ事も。
お前に選択肢は無い。
全ては我の意志で決める。良いな?」

そう金色の瞳で見られて…
ルシュアは何も発せ無くなった。


長い髪は光りに照らされ白光する。


まるで…



    …銀の狼…。



きっと…その毛皮の下には
殺意しかない化け物。