鋼の心










「…そうか。」


結局ダリムはそれしか言わず…
部屋を出て行った。


暗くなる空…。


夜中の3時過ぎ頃…
ルシュアは唸り声で目を開けた。


「ふう!…くっ…」

息苦しそうに魘されるルシウス。


体を捩じらせ、顔を歪める。


「ルシウス?」

そう声をかけても…
彼が起きる気配は無い。


ただ…分ったのは。


「…アナ…ィアナ…」

ルシウスには想う女が居るという事だった。