鋼の心








頬を撫でられ…唇を親指でなぞられる…。

ゾクゾクとした感覚に
ルシュアはさらに身を固めた。


「…ふっ、処女か。」

そう憎たらしい顔で言った
銀髪男の金色の瞳を
ルシュアは顔を歪めて見ていた。


手に持った短刀を強く握り締め、
『この男を消したい。』
という衝動に耐える…。


「面白い。
暇つぶしの玩具にしては上出来だ。」

冷ややかな目をして
無表情に変わった銀髪の彼を…
ルシュアは平手で叩いていた。


パシンッ…。


乾いた音が鳴り響くのは
今日で二度目。


周りにいた男達は、
皆…顔を顰めていた。