父はそれからというもの、田氏への復讐を果たすために生き始めた。そのような生活に陽麗を巻き込みたくなく、かねてよりの知り合いであった士会に陽麗をあずけることにしたのだ。士会の先祖は姜氏に恩があったらしく、代を超えて恩返しをしたのである。
復讐を果たす上で、父にとって家族は弱点になりかねなかった。父母(陽麗にとっては祖父母)や妻は秦の国にいるからよいのだが、斉に連れてきてしまった娘には危険が及ぶであろう。なにより復讐と言う人の闇の部分に触れさせるには幼すぎた。
そして父、姜子牙は田氏への復讐を画策するが斉という大国の君主である人間を討つには暗殺という手段しか思いうかばなかった。
暗殺を行うために姜子牙は剣と弓の技術を学ぼうと師となる人物についた。
「公孫鞅(こうそんおう)」という半ば老境にさしかった人であるが、その心身は虎や豹のようにしなやかである。
彼は剣を教えるうちに奇妙なことを言った。
「子牙よ。おぬしの血には火神が宿っておる。」
「左様でございますか。それは有り難きことでございますな。」姜子牙にすれば宿っているのが火神であろうが水神であろうがあまり興味はなかったのであるが・・・
「うむ。おぬしはよくわかっておらぬようだから教えておくが、火神の力を具現化させることも可能であるのじゃよ。」
姜子牙にはにわかに信じがたいことであった。
復讐を果たす上で、父にとって家族は弱点になりかねなかった。父母(陽麗にとっては祖父母)や妻は秦の国にいるからよいのだが、斉に連れてきてしまった娘には危険が及ぶであろう。なにより復讐と言う人の闇の部分に触れさせるには幼すぎた。
そして父、姜子牙は田氏への復讐を画策するが斉という大国の君主である人間を討つには暗殺という手段しか思いうかばなかった。
暗殺を行うために姜子牙は剣と弓の技術を学ぼうと師となる人物についた。
「公孫鞅(こうそんおう)」という半ば老境にさしかった人であるが、その心身は虎や豹のようにしなやかである。
彼は剣を教えるうちに奇妙なことを言った。
「子牙よ。おぬしの血には火神が宿っておる。」
「左様でございますか。それは有り難きことでございますな。」姜子牙にすれば宿っているのが火神であろうが水神であろうがあまり興味はなかったのであるが・・・
「うむ。おぬしはよくわかっておらぬようだから教えておくが、火神の力を具現化させることも可能であるのじゃよ。」
姜子牙にはにわかに信じがたいことであった。
