学校に着く頃にはもう9時を回っていた。
教室へ入るとクラス全員の視線が一斉にこちらを向く。
クラスのほぼ全員が息を飲んだのが分かる。
暫くの沈黙のあと「やっぱスゲェ…」とか「本当に人形みたい」という声がボソボソと聞こえる。
女の子の一部と先生は、ぼんやりとあたしを見つめる。
その隙にあたしは席に着く。
ガタン
あたしが椅子を引く音で先生はハッとした様子で「とっ、東城さん遅刻ね…」とか何とかボソボソと言っている。
いい加減慣れてほしいよ。
あたしだって分かってるのよ。
この顔が、髪が
異様なものなんだって。


