ああいうのは初めてじゃない。
だってこの顔にこの髪だもの。
異文化交流の進んだこの現代日本でも、あたしは飛び抜けて異質だった。
だから興味本位で近寄ってくる人々や、痴漢、ストーカーなど…
小学生ですでに数々の恐怖にさいなまれてきた。
だけど、そんな中であやちゃんは唯一、
あたしを人形みたいだと言わなかった。
嬉しくて
嬉しくて
あたしはすぐにあやちゃんを大好きになった。
あやちゃんも同じだと思っていたのに。
『こっちはるなちゃんといると男子と話せるから遊んでやってるだけなのにさあ!』
そのあやちゃんの口から
あんな言葉を聞く日が来るなんて思わなかった。
しかもあんな形で。
…ひどいよ……、
あやちゃん…
信じていたのに……


