高1、夏 セミがうるさく鳴く、7月の始め。 ひとつ赤い屋根の下。 今日も澄川さんのお家から、日課になってる彼女の声が響く。 『輝っ!優っ!早く起きて~っ』 ふたつの布団を勢いよく引っ張った。 「…んあーっ!!うっぜーなあ!」 2段ベッドの下から、元気な声が聞えこた。 輝が朝から吠える。