弥生「私を使うとは、いい度胸ね。」


 反応は、さっそく来た。


 次の日、私の前には「本物の弥生」が現れる。


 別に予想していたことだし、それぐらいの対抗策は考えている。


 うさ美「私に大和のマネは出来ないもの。我ながら子供だましの手だと思ったけど、案外、自分に自信を持っている人間ほど、足元がお留守になっているものよ。」


 弥生「ええ。おかげで、いい教訓になったわ。戦国には悪いけど、今回のような子供だましの手段は私たちにとってはいい薬ね。」


 うさ美「お褒めに預かり、光栄よ。」


 弥生「でも、あそこで私が邪魔しにくるとは思わなかったの?」


 うさ美「アナタこそ、本当に私が「名前の改ざん」という、高度なハッキング術を持っていると思っているの?」


 弥生「・・・・なるほど。本当に、頭の切れる部下を手に入れたことね。あいつも・・・。」


 嘘つきウサギ。


 すべての存在が嘘で固められているからこそのこの名前。


 私の存在はどこにでもいて、どこにもいない。


 さぁ、騙されろ。


 さぁ、踊れ。


 すべて私の言葉の中で。


 私の嘘の元に・・・。