『教本』は狩人達の育成にも使われているようで、吸血鬼のこと、バケモノのことが詳しく書かれていた。恢に教えてもらった獣とバケモノの見分け方、バケモノとの戦い方、バケモノの急所等々。そして人がバケモノに堕ちるまでの過程。
吸血鬼の血が少量でも入ると、人間の身体は蝕まれる。吸血鬼の血に蝕まれた人間が辿る道は二つ。拒絶反応によりすぐに命を落とす者、徐々に理性を失いバケモノへと変貌していく者。どちらにしても、待ち受けるのは死だ。
『元人間の吸血鬼は全てバケモノに堕ちる。どんなに抗おうとその運命からは逃げられない』
喫茶店での会話が甦る。トーマの言ったことを信じていなかったわけじゃない。でも、彼の言葉を素直に受け止めきれるほど信頼してはいなかった。それなのにこうして文書で突き付けられて、認めないわけにはいかなくなってしまった。
「誰か……嘘だって、言ってよ……」
恢がバケモノに堕ちるなんて、信じない。
信じたくない。
吸血鬼の血が少量でも入ると、人間の身体は蝕まれる。吸血鬼の血に蝕まれた人間が辿る道は二つ。拒絶反応によりすぐに命を落とす者、徐々に理性を失いバケモノへと変貌していく者。どちらにしても、待ち受けるのは死だ。
『元人間の吸血鬼は全てバケモノに堕ちる。どんなに抗おうとその運命からは逃げられない』
喫茶店での会話が甦る。トーマの言ったことを信じていなかったわけじゃない。でも、彼の言葉を素直に受け止めきれるほど信頼してはいなかった。それなのにこうして文書で突き付けられて、認めないわけにはいかなくなってしまった。
「誰か……嘘だって、言ってよ……」
恢がバケモノに堕ちるなんて、信じない。
信じたくない。


