トーマとかいう狩人のせいで嫌なことを思い出した。二年前の血塗れの記憶……。
両親の亡骸。
一面に広がる血の赤。
部屋中に充満した酷い臭い。
思い出したくないのに、否応無しに甦ってくる。
その記憶を振り払うように、ただ一心に宿までの道を歩いた。
沈んだ気分を引きずったまま、部屋のドアを開ける。
すると一陣の風が通り抜けていった。
あれ?出て行くときは窓閉まってたはず。ということは、私が出掛けた後に誰かが窓を開けたってことだ。
無論この部屋に「誰か」なんて1人しかいない。
「恢、もう起きて平気なの?」
ドアを閉めて、室内に居るはずの恢に問い掛ける。
「あぁ、問題ない」
入口から人影は見えないが、部屋の奥から声が返ってきた。
部屋の奥へ歩いていくと、ベッドに腰掛ける恢の後ろ姿を見つけた。
「良かった」
本当は、声を聞いても不安だった。ちゃんと起きている姿が見られて心の底からホッとした。
「恢が眠ってるとこなんて見たことなかったからビックリしちゃった」
恢の方へ歩み寄りながら、努めて明るく話し掛ける。
二つ並んだベッドを通り過ぎ、恢の斜め前で足を止めた。
「驚かせて悪かった」
顔を上げた恢と目が合った。
両親の亡骸。
一面に広がる血の赤。
部屋中に充満した酷い臭い。
思い出したくないのに、否応無しに甦ってくる。
その記憶を振り払うように、ただ一心に宿までの道を歩いた。
沈んだ気分を引きずったまま、部屋のドアを開ける。
すると一陣の風が通り抜けていった。
あれ?出て行くときは窓閉まってたはず。ということは、私が出掛けた後に誰かが窓を開けたってことだ。
無論この部屋に「誰か」なんて1人しかいない。
「恢、もう起きて平気なの?」
ドアを閉めて、室内に居るはずの恢に問い掛ける。
「あぁ、問題ない」
入口から人影は見えないが、部屋の奥から声が返ってきた。
部屋の奥へ歩いていくと、ベッドに腰掛ける恢の後ろ姿を見つけた。
「良かった」
本当は、声を聞いても不安だった。ちゃんと起きている姿が見られて心の底からホッとした。
「恢が眠ってるとこなんて見たことなかったからビックリしちゃった」
恢の方へ歩み寄りながら、努めて明るく話し掛ける。
二つ並んだベッドを通り過ぎ、恢の斜め前で足を止めた。
「驚かせて悪かった」
顔を上げた恢と目が合った。


