かすかやけど

ほんまに一瞬大智の表情が変わった



「そのおっちゃん今、何しとるかなあ」


俺が大智の表情を明るくしようとして

表情を伺いながら言った

そしたら大智の表情はもっと悲しい表情になる




「大智・・・?」

「おっちゃん・・・ガンやったんやて」

「・・・え?」

「久しぶりに休みの日に警察署行ったらおっちゃん居なくて、警察署の人に聞いたら・・・ガンで、倒れて1週間ほど前にって」

「・・・じゃあ」

「もう、おっちゃんこの世にはおらんねん・・・おっちゃんな、制服姿見せた時言っとった。これで俺も思い残す事ないって。そんとき何の事だかわからなくて、笑って返事したけど・・・そうゆうことやったんやー」

「・・・大智」

「でな、最後の最後まで、大智によろしくなーって言って目を閉じたって」

「・・・」

「ほんま、言葉なくすやろ?へんな話してごめんなーー」

「いや・・・別に」

「そーゆーことやから。もう遅いし帰るわ。じゃ」



大智は屋上を出て行った

大智の過去を知った

俺だったらだれにも言いたくない事を

大智は言ってくれた

あいつは、すごい