ありがとう



ななたちの方を振り返ると
口パクで「頑張れ」って言ってた。


「ごめんね?急に呼び出して。」

「ううん!全然。」

「実は俺じゃないんだけどさ…
 小林勇次知ってるか?」

え?なんで小林が?
やっぱ関係あるのかな…

「知ってるよ。
 同じ小学校だったし。」

「そうか。用があんのは
 勇次のほうなんさ。
 昨日アド聞いて知ったんだけど
 なんか緊張してたみたい。」

あははって前田が笑う。

「まあ、話だけは聞いたってな。
 じゃあ勇次呼んでくるわ。
 待ってて?」

「うん。」

私はなぜか緊張していた。
てっきり前田がかと思ってた。
こういうことってあるんだなあ…
そう思ってたら小林が来た。

「よ!待たせてごめんな。」

私は首をたてに振る。
ヤバイ、全然目向いて喋れない…
どうしよう…

「俺さ…」

沈黙の中先に口を開いたのは
小林だった。

「俺、お前のこと気になってた。
 窓から見てただろ?
 その時からだんだん意識してきた。
 ぶつかった時も運命って思った。」

私はただ黙って聞いていた。

「俺…俺さあ…」