あたしも1㍍くらい間をあけて座った。 ほんと聞こえるか聞こえないかくらいの声で和人が話し始めた。 「昇降口で待ってるっつったのに裏口からでてくし……。」 あ…ばれてたんだ……。 「…………恋人いんなら告んないでって」 あ―――………。 すっかり忘れてた…。 「杏」さんの存在。 そして――――――「和人の恋人」 「まず俺恋人なんていねえし」 髪をくしゃっとして和人は顔を隠す。 「俺繊細だから昇降口からじゃなくてわざわざ裏口からでてくの知っただけで避けられてるって辛くなるし―…」