それからあたしたちはすぐに帰った。和人に話し掛けても和人はずっと上の空。
『あぁ』とか『うん』とか『ん』ばっか。


あたしが一方的に話しかけるだけで和人からはなにも話してくれなかった。


向井若葉さん――――。


その名前にあたしは負けそうな気がした。


家に帰っても和人はメールも電話もしてくれなくってあたしの不安はつのるばかり。


それから1週間経ってあたしたちに夏休みが訪れた。


和人は結局1週間の間元気がなかったように感じた。


初めてのデートだったのに、楽しかったのになんで最後にこんな気持ちになるんだろう。