「和人ー次移動教室だって!行こうぜ」


「んー」


律に現国の教科書を返して教室に戻ると柏木が俺を待っていた。


ってか律――…柔らかかったなあ…。もう俺本当律以外考えらんねえ…。誰よりもかわいくて優しい律。


あー…はやく日曜日になんねえかな…。ってかもう夏休みじゃん!


受験も来年だし?律と遊び放題っ


「なあ和人知ってる?」

「何を?」


柏木の声が俺の耳をすりぬける。頭に全然入らない。その変わり俺の頭の中は日曜日と夏休みのことでいっぱいだった。


「転校生が夏休みあけにくるんだと」


「へー興味ない」