すると何か和人が考えはじめてあたしの教室にずかずかと入っていく。
あたしは腕を捕まれたまま華織の横を通り過ぎた。
「和人??」
和人はあたしを教室の奥の隅に押し込んでその前に立った。
あたしのクラスメート達はあたし達をちらちら見てくる。それがあたしにとってはあたし達を恋人と再認識させている感覚で少し快感だった。
「んー」
和人が悩んでいると思ったら学ランの上着を脱ぎはじめた。
「ちょっと!和人――――――んんっ」
和人の唇があたしの唇に重なった。
その時悟った、学ランはあたしたちのキスを隠すため。和人が学ランの上着の両裾を持ってあたしの後ろの壁に手をついて隠している。

