その時、ミナキくんの携帯が鳴った。


私なんかに見向きもしないで、すぐに携帯に手をかけたミナキくん。


「出ていい？」ってすら訊いてくれなかった。


「はい？

ああ、カナちゃん？」


電話の相手は女の子だったらしい。


「今？

うん、大丈夫だよ」


ミナキくんは電話の向こうにいる女の子に優しくそう言った。


その言葉が、私を強く痛めつけているとも知らずに……。


「今日の放課後？

うん、暇。

……分かった。

じゃあカナちゃんの家に行くから」


私がいても、堂々とそんな会話をするミナキくん。


気付けば、すごく傷付いてる自分がいた。


……私以外のミナキくんの彼女は、みんな慣れてるのかな？


ミナキくんが他の女の子に優しくしてるのを目の当たりにしても、何とも思わないのかな……？


嫉妬とかしないのかな……？