ミナキくんの腕の力が緩んだのを見計らって、私は勢い良く立ち上がった。 「あっ……かり……!」 「私、もう行くね!」 再び私の腕を掴もうとした手をスルリとかわす。 ミナキくんが何か言いかけたけど、聞こえないふり。 教室まで走る。 みんなが私を見てる。 当たり前かあ。 だって私、多分、今泣いてるから……。