浮かない気分のまま迎えた高校の入学式。
たまたま会場でミナキくんとすれ違った時、私は衝撃を受けた。
……だって、橋本くんにそっくりだったから。
橋本くんよりも色白で細身だけど、鼻筋の通った王子様みたいな綺麗な顔は橋本くんにそっくり。
本人?
それとも兄弟?
そう訊きたくなるほど、ミナキくんは橋本くんに似ていて……。
気付いたら、無意識のうちに見つめている自分がいた。
あの日から、私はミナキくんが気になり始めた。
廊下ですれ違う度、橋本くんとすれ違うみたいでドキドキした。
ミナキくんが笑っているのを遠目で見る度、橋本くんの笑顔を思い出してドキドキした。
いつしか、ミナキくんを橋本くんだと思うようになっていたんだ。

