俺はさっき花梨と歩いた道を、口を手で覆いながら早足で引き返した。 「?」 振り返ってみた。 誰もいない。 幻聴? 今、「ミナキくん」って呼ばれた気がしたんだけど。 ……花梨に。 って俺、重症……。 歩くペースを速めた。 もはや駆け足。 軽く息が上がる。 ……ちょうどいい。 疲れろ、俺の体。 もっともっと疲れろ。 体が熱いのは、走ってるからだよな? この変なドキドキは、息切れのせいだよな? ……そう思いたい。