「えぇ〜皆さん入学おめでとうございます。皆さんはこの春義務教育を終えて自らの意志で進学しました…」

体育館では入学早々校長の長話しというもてなしに早くも絶望の表情を浮かべていた。

「うわぁ〜また長話ししてるぜ校長の野郎。俺達の時と全く同じ事言っててるし。しっかしあれだけの道見つけたことはもといよく息も切らさずにこれるなテル」
「だからいつも言ってるだろカズ、天才は99%の才能と1%の努力によって成り立っているのだよ」

「ハイハイ、そ〜でした」

テルが口とは裏腹に誰よりも努力を惜しまないということはテルをよく知る者ならみんな分かっていた。頭も決して悪いわけではなく本来なら学年トップのカズにも劣らないほどの実力がある。ただやる気のあるなしで大きく点数が変わってしまうだけで高校入試ではカズを抜いてトップで合格したことは有名な話である。