その頃、正輝はカズの部屋でアルバムを見ていた。子供の頃のテルとカズが仲良く写っている。正輝がアルバムを眺めているとカズの母親が入ってきた。

「あら、懐かしいわね。一重と正輝ちゃんが幼稚園の頃のアルバムね」

「はい、もしかしたら何か思い出すんじゃないかと思って」

「本当に二人とも仲がよくてね、誕生日も一日違いだから本当に兄弟のように育ったのよ」

「カズ君から聞いてます」

「だからね、皆正輝ちゃんが死んだって言ってもあの子は絶対に生きてるんだって言って探してたのよ…本当に良かったわあのね正輝ちゃん…記憶が戻ってもずっと家にいてもいいのよ、一重にとって正輝ちゃんが兄弟みたいなように私達にとっても正輝ちゃんは息子のようなものなんだから」

「おばさん…本当にありがとうございます」