「正輝」

「あっ、兄ちゃん!こんな朝早く来るなんて珍しいね」

「正輝、実はな…」

「記憶を取り戻しにいくんでしょ?」

「!?よくわかったな」

「兄ちゃんが考えてることなんてお見通ししだよ!詳しく聞かせてよ」

「ああ」

正輝は自分も同じ大森正輝だということ、カズのこと美里のこと、知っていることは全て話した。

「ふ〜ん、僕と兄ちゃんが同じ名前だったなんて運命みたいだね」

「あぁ、偶然なんかじゃないさ、俺達が出逢えた事はきっとなんかの意味があったんだ」

「僕、手術受けるよ。今まで怖かったけど逃げてちゃだめなんだよね」

「正輝…頑張れよ」

「うん、遠くに行っても僕の事忘れないでね」

「忘れる訳ないだろ。例え記憶が戻っても俺達友達だろ?」

「うん!」

「じゃあ待たせてるからもう行くな。俺がいつ来てもいいようにお菓子用意しとけよ!」

「うん、バイバイ」

正輝は病室を後にした…