「違う…」

病室にいたのは五才位の男の子だった。

「??お姉ちゃん達誰?」

「あ…え〜と…」

「もしかして僕のお見舞いに来てくれたの!?わ〜い、兄ちゃん以外でお見舞いに来てくれた人初めてだよ!」

「兄弟がいるのか?」

「ううん、でもいつもお見舞いに来てくれるお兄ちゃんがいるの」

「そうか…よかったな。美里ちゃんそろそろ帰ろう」

「うん…じゃあね」

美里達が帰ろうとしたまさにその時、後ろから声が聞こえた。

「おっ?珍しいな正輝、見舞いの人か?」

聞き覚えのある、半年間ずっと聞きたかった声に美里の体は硬直し、心臓の鼓動が激しくなる。頭の中が何も考えられず真っ白になった…ゆっくりと振り向いた…