体育館、創立七十九年の学校だけあって体育館にも相当ボロがきていた。床なんか生徒が歩くたびにギシギシ音が立つほどである。

｢ええ〜皆さん夏休みはどうでしたか？生徒全員がまた無事に登校してくれたことは校長先生の一番の喜びです。さて、いよいよ三年生には受験が近づいてきました…｣

四部高の校長はここら一体では話しが長いことで有名だ。加えてこの炎天下である。生徒たちにとってはまさにこれとない生き地獄である。

｢うわぁ、また始まったよ校長の長話し。こりゃああと一時間近くは続くな。なあ、テ……ル!？｣

カズの視線の先にはまるで漫画のように立ったまま眠っているテルがいる。

｢こいつは本当に…｣