全てを奪い去った忌まわしいあの事件から六ヶ月が過ぎた。
四部高は元々老朽化が進んでいたためこれを機に建て直すことになった。今は工事が着々と進みもうすぐ完成を迎える。
学校が変わる以外、なにも変わらなかった…ただひとつ、テルがいないことを除けば…

不思議なことに全焼した四部高からはテルの死体どころか影ひとつ見当たらなかった。生きてるかも死んでいるのかも分からない状態だった。しかし、あの状況では助かる可能性は限りなく0に近いということで焼死というのが警察の見解だった。

しかし、テルが生きているということを誰よりも信じている者がいた。