「テル君が…テル君が!」

救急隊員によって救助された美里はまだ満足に動かない体でまた四部高に向かっていく。

「美里ちゃんよすんだ、そんな体じゃ何も出来ない。テルならきっと大丈夫さ、天才に不可能はないとかいって帰ってくるさ」

「カズ君…」

幼い頃からテルと兄弟の様に育って来たカズには校舎の中でなにが起こったのか大体分かっていた。

「でも…約束したのに…戻ったらいっぱい話しようねって、約束したのに…」

美里はテルの名を叫びながら泣き崩れた。そして、ついに校舎が崩れ始めた。テルは最後まで出て来ることはなかった…