「何か憎めない人だったな…」


一人廊下で考え込んだ。


『ほのかは好きな人がおるんか?』


昴の一言が脳裏に木霊する。


私の好きな人…。


恋なんて感情忘れちゃったから分かんないよ。


私にまた恋をする日なんてくるのかな?


ん~??


来ないね。


絶対来ない。


旬くんには昔の様な感情は抱いてはいけないんだ。


もう誰も傷つけたらいけないんだ。


私が思いを封じる事でみんな幸せ。


私は何も考えちゃいけないんだ。




【この頃の私はこう思っていた。


幸せの意味も知らないまま思い込んでいた。


傷つかなきゃ、傷つけなきゃ伝わらない事もあるって言うのに。


もっと深く好きな人について考えるべきだった】