その夜…お兄ちゃんから電話が来た。


指示された通りVEPテラスに向かった。


そこには変わらない旬榎の姿があった。


「旬…くん」


ほのかはお兄ちゃんでは無くそう呼んだ。


「ほのか、遅くにすまない。


どうしても話がしたかったから…。


ほのか…聞きたい事は何でも言って?


全部話すから。


あの日、ほのかの前から消えた事。


何で今こんな事してるのか…。


全部教えてあげる」


そう言って、ほのかを旬榎は椅子に誘導した。


「ずっと待ってたよ。


無事で良かった…。


最初から教えて?」


ほのかは涙を堪えて訴えた。


「分かった…」


旬榎は静かに話し始めた。