「ほのかさん？」


「あっ！何でもないよ」


我に返って返事をした。


「ごめんなさい。


私、そろそろ行きますね。


お母様に怒られてしまいますもの」


と言って赤き目を細めて音依璃がニッコリ笑って立ち上がった。


「教えてくれて、ありがとう音依璃ちゃん」


ほのかは精一杯の笑顔を見せて玄関へと送る。


「いいえ、お安い御用です。


お兄様が言ってるいよりも、ずっとほのかさんは優しいですね。


お馬鹿なお兄様に宜しくお願いしますね」


と笑って音依璃は廊下の先に消えて行った。


ほのかはまだ、坂槇　筍榎と言う名前に気になっていた。


だけど、思い出せないので諦めた。


全員がそろわない場合は食事は自由となっていたのでほのかは寮から出て学食に向かった。