「さぁ聞かせて貰いましょうか?


庶民さんの奏でる音を・・・」


彩芽たちは変わらず馬鹿にした様に笑っている。


佐和と芳乃は真剣な顔でほのかを見ている。


予定通りにほのかは小春の横に座った。


左側には麗が座った。


ほのかが感じた事のない緊張感に襲われた。


「・・・お前らしく弾け」


麗が小声でそう言った。


「では、A5班のテストを開始します。


初めて下さい」


鬼神の冷たい声を合図に呼吸を合わせた。


演奏の途中で何度かほのかの音がずれそうになったが、麗達がフォローしてくれた。


完璧には遠かったが満足のいく演奏だった。


「減点ポイント0。


おめでとうございます」


彩芽は不満そうな顔だったが鬼神には意見が出来なかった。


佐和達の班も原点は無かった。


「まだまだ甘ぇな」


演奏が終わった時に麗がそう言った。