ほのかは麗に手を引っ張られながら、隣の開き教室に移動した。


「ほのか、お前は小春の隣で俺達に合わせろ」


小春は楽器奏者の名手だからだろう。


「でもっ・・・無理だよ」


彩芽たちの演奏を聞いてから超弱気なほのか。


「馬鹿か!


最初からお前に期待なんかしてねぇよ。


でも、お前は誰も超えられなかった俺様を超えた奴だ。


俺達のピアノを聞いて合わせるだけで良いんだよ」


ほのかの肩にそっと叩いた。


「大丈夫だよほのかチャン」


佐希が優しく笑いかける。


「足を引っ張るなよ。原点は俺達に傷がつくからさほのかサン」


小春は意地悪くほのかにささやく。


「後は」「俺等に」「合わせてよ」


羽守輝と水輝がほのかの頭をくしゃっと撫でた。


「見くびるなよ。


俺達は天下に立つんだからよ。


音のフォローは俺達がしてやるよ」


麗が八重歯をチラつかせて笑った。


「ありがとう」


ほのかに笑顔が戻った。


「お時間です」


鬼神が6人を迎えに来た。