「まぁ怖気ついたのォ。


もっと、怖くなる様に私達が素晴らしい演奏をアナタにお聞かせするわぁ。


庶民のアナタには到底出来ないわよ」


冷や汗をかいて指先が微かに震えるほのかを見下しながら彩芽たちは椅子に座りピアノに手をかざした。


「それではE3班のテストを開始します。


では、初めて下さい」


E3班の担当の監視官が言った。


「フフッいきますわよ」


彩芽の合図で演奏が始まった。


それは息を呑む程の演奏だった。


まさに完璧と言うべきだった。


花園会で団結している彩芽達にとって造作も無い事だろう。


「減点ポイント0。


続いてA5班、お願いします」


呼ばれてしまった・・・。


彩芽達は涼しい顔でほのかの肩にわざとぶつかった。


「5分時間をくれないか」


麗が珍しく真面目に鬼神に申し出た。


「ピアノに触れないのならば良いでしょう」


鬼神の許可が下りた。