「行かせネェ」
走り出そうとするほのかの腕を麗が掴んだ。
「どういう事か分かってんのかよ!!」
「分かってるよ。
私はいつも卑屈になってた。
何で私だけ?って。
だけど皆、私なんかをまだ逢ってから日が浅いのに優しくしてくれた。
守ってくれてる。
私のせいでこんな事になってるんだったら一人で良い。
今度は私が頑張らなくちゃいけない番。
また部屋で笑ってたいの!!
ねぇ麗だから行かせて?」
ほのかが麗に微笑むと麗はそっと強く握っていた手を離した。
「ありがとう」
いつに無く悲しそうな顔をしてほのかは走り出した。