たった十八歳と十七歳の人間に突きつけられた非情な現実に雫希はストップを掛けた。






「もっとちゃんと考えよっ? 結婚って……こんな風にするもんじゃない」



俺の手を両手で覆った雫希が、小さく笑った。



……わかってるよ。
俺だって、笑顔で雫希に「愛してる」って純粋な気持ちで言えたらって……ずっと思ってる。




でも、ここで頷いたら……雫希は俺の前から居なくなるだろ?



だって、俺たちは家の為に成り立ってる幼なじみだから。



そんな相手を、雫希が選ぶはずがない。俺はそれが怖くて仕方無い。



だから……、



「好きだ、愛してる。……そう言えば良いのかよっ」


「っ……尊っ」



俺よりずっと華奢な体をダブルベッドに押し倒し、雫希に覆い被さる。



顔を寄せた雫希は、見たこともない程震えていた。